今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「ちゃんと話したくて……」
「ふーん。つーか、心優のこと泣かせるようなことしたら絶対許さねぇからな?」
もうすでに何度も泣かされてるんだけどね……。
なんて、そんなことは言えるはずもない。
ゆう兄はどうやら仲の良かった後輩の暁が、私と付き合ったということを真っ先に言わなかったことが、気に食わなかっただけみたい。
暁のことはきっと私よりも知っているはずだから、それ以上ツッコむことはしなかった。
特に慌てる様子もなく、最初に暁の顔を見たときもあまり驚いていなかったまー兄は、両手をジーパンのポケットに入れたまま、暁の目の前に立った。
「るいって子とは、ちゃんとけじめつけたんだよな?」
「はい。向こうも納得してくれました」
「……そうか」
まー兄はそれだけ言うと、「うちの妹、よろしくな」と私の頭をポンポンと優しく叩いた。