今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「ケンカはもうすんなよ。それだけは守れ」
ゆう兄の聞いたことのないような低く圧力がある声に、暁だけでなく私も背中が伸びた気がした。
「そのつもりです」と、すぐに答えた暁に、ゆう兄はいつものように笑顔で玄関から出ていった。
まー兄も続いてバイトへ行ってしまい、私と暁はそのまま私の部屋へ向かった。
私の部屋には……ドアから見て、左側にベッドがあり、ドアのすぐ隣にテレビが置いてあってその向かいにローソファーがある。
右側には備えつけのクローゼット、ソファーの上には小さな窓がある。
洋服、かばん、帽子などのファッション小物などは全部クローゼットに入っているため、部屋自体にはそんなに物がない。
テレビ台に少し雑貨が収納されているくらいで、基本あまり物を置きたくない主義なので、女の子の部屋にしてはシンプルで殺風景かもしれない。