今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「……どうせ、俺としか無理だろ?」
「へ?」
「結婚」
振り返らない代わりに、耳元で話されるという、また違ったドキドキが襲いかかってきた。
「私が暁しか触れないからってこと……?」
「あぁ」
私が暁しか近づくことはできないのは確かに事実。
暁は、この先もし私よりも好きな人ができたとしても、他の人でも付き合うことはできるもんね。
それって、私が暁としか結婚できないからしょうがなく結婚するってこと……?!
整理したらその考えに行きつき、だんだんとムカついてきた……。
怒りで恥ずかしさも忘れ、私は勢いよく暁の方へと体を向けた。
「これから先、もしかしたら男性恐怖症を克服できるかもしれない。そしたら、私だって他の人と話したり……いろいろ大丈夫になるかもしれないよっ」
「……」
「そんな、私のことを哀れんで結婚してあげようなんて思わなくても……っ」