今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
お願いだからどこかへ行って……。
せめて、もう少し離れて……。
声を大にしてそう言えたらどんなにいいか。
顔も上げられないし、目も開けられない。
完全に体が硬直しちゃって逃げようにも逃げられない。
「群がるのやめろよ。怖がってるじゃん」
しかし、私の異変に気づいてくれたのか、光聖って人がそう言って、私の周りにいた不良たちを手であしらって私から離してくれた。
けど、誰も聞く耳は持たず、再び私を囲むようにして近づいてきた。
「てか、肌白くね?」
1人の不良がそう言った。
そう言ってるだけなら………大丈夫だった。
でも、その人は何のためらいもなく、突然私の腕を掴んできた。
………その瞬間、脳裏に映し出される………過去の記憶。