今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


最後まで言い切る前に、暁に唇を塞がれてしまった。



怒りに身を任せ、久しぶりに早口でしゃべった。



私の口から言葉が出るたびに、暁の眉間にシワが寄っていくのが分かったけど、自分でもどうしても止めることができず……。



ゆっくりと離れた唇。



「それ以上その話すんなら、本気で襲うぞ」



私の下唇に暁の親指が優しく触れた。



「おまえが他の男と仲良くすんのなんて、こっちは1ミリも望んでねぇ」

「……」

「それに哀れんで結婚って……俺はなに様だよ」

「……」

「そもそも、いつになるかも分かんない結婚の話でこんな言い合いしてんのって、かなり無駄だと思うけど」



暁の言うことが正論すぎて、ぐうの音も出ない。



なにを意地になって勘違いしてケンカ吹っかけてるのよ私……っ。



……ただ、暁が少しでも私との未来を想像してくれているんだと知ることができて、すごく嬉しかった。



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