今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


こんなときに非常識かもしれないけど……不機嫌な暁もかっこよくて大好きだと確信した。



こんなにキツい口調なのに、ちっとも傷ついていない。



今までは考えたこともなかったけど、私ってもしかして……SとMのMなのかな。



「心優」

「はっ、はい!」



また頭の中で考えていたため、ついボーッとしてしまった。



「ちなみに、催促してるわけじゃないからね?」

「……あぁ」

「暁と過ごしたいからっていう、ただそれだけの理由だからね?」

「あぁ」

「その、実は……来週の22日ね、私の誕生日なんだ……」



やっとやーっと、自分の口から出た"誕生日"という言葉。



厚かましい女だって思われたかな?



暁の顔を見れず、とにかく心拍数が増えた。



「行きたいところ、決まったら言えよ」

「……へ?」

「当日までに決めとけ」



私の不安も知らずか、暁は当たり前のようにそれだけ言って、今度こそあっさりと帰っていった。



< 218 / 385 >

この作品をシェア

pagetop