今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
こんなときに非常識かもしれないけど……不機嫌な暁もかっこよくて大好きだと確信した。
こんなにキツい口調なのに、ちっとも傷ついていない。
今までは考えたこともなかったけど、私ってもしかして……SとMのMなのかな。
「心優」
「はっ、はい!」
また頭の中で考えていたため、ついボーッとしてしまった。
「ちなみに、催促してるわけじゃないからね?」
「……あぁ」
「暁と過ごしたいからっていう、ただそれだけの理由だからね?」
「あぁ」
「その、実は……来週の22日ね、私の誕生日なんだ……」
やっとやーっと、自分の口から出た"誕生日"という言葉。
厚かましい女だって思われたかな?
暁の顔を見れず、とにかく心拍数が増えた。
「行きたいところ、決まったら言えよ」
「……へ?」
「当日までに決めとけ」
私の不安も知らずか、暁は当たり前のようにそれだけ言って、今度こそあっさりと帰っていった。