今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「えっ、心優?!すごい可愛いじゃない!」



ドアを開けてすぐ、キッチンに立つママが1番に気づいてくれた。



ソファーに座ってテレビを観ていたパパも、ママのその声に反応して、私の方へと振り返った。



一瞬、目を見開いて驚いた顔をしたパパは「思い出すなぁ……」とつぶやいた。



「思い出す?」

「あぁ。若いときのママそっくりで、ママと付き合いたての頃を思い出すよ」



ニヤッと笑ってパパはママを見た。



「私、こんなに可愛かった?!」

「可愛いかった。まぁ、心優の方が可愛いけどね」

「それ言わなきゃ今日1日気分良く過ごせたんですけどー……?」

「ははっ、冗談冗談っ」



笑い合う2人を見て……私もこうなれたらいいなぁと心から思った。



パパは付き合いたての頃をちゃんと覚えているんだ……。



ママに似てるって言われて私も嬉しいし、ママも昔の自分を覚えてくれているのを知って、きっと嬉しいと思う。



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