今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「あ、そうそう」
ママはなにかを思い出したようにそう言って、1つの紙袋をテーブルの上へと置いた。
「これ、誕生日プレゼント」
「うわぁ、ありがとう!開けてもいい?」
「うん。開けてみて?」
紙袋の中にはリボンがついた小さな箱が入っていて……そっと開けてみると、そこにはピンク色のリップが入っていた。
それは有名なブランドのもので、密かに欲しかったものだった。
「すごく可愛い……!これずっと欲しかったの」
「ふふっ、喜んでもらえてよかった。ママはなんでもお見通しなのよー?」
「ありがとう!さっそく使ってもいい?」
「もちろん。そのために、出かける前に渡したんだもの」
早く塗りたくて、小走りで洗面所へと向かう。
唇の上に可愛いピンク色を重ねていく。
リップ1つだけで、こんなにも気持ちが上がるんだ……。