今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「なんだ、その格好は?!」
「これから暁くんと誕生日デートなのよ」
「はぁっ?!誕生日デート?!」
まー兄には別にわざわざ言うことでもないから、特に伝えてはいなかった。
だけど、伝えずに今日を迎えて正解だったみたい。
「どこ行くんだよ?!つーか、ワンピース短くねぇか?!」
もうすでにうるさいまー兄をスルーして、私は「じゃあ、行ってきまーす!」と玄関を飛び出した。
なんとなくまー兄がうるさくなるのは目に見えていた。
帰ってきてからが大変そうだけど、それでも、まー兄ごめん……!
今日だけは許して……!
駅までの道……自然といつもより早歩きになっていた。
会いたい。
早く会いたい。
その思いが、歩くペースを速くした。
そのため、待ち合わせしていた時間より15分も早く駅へ着いてしまった。