今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「なんだ、その格好は?!」

「これから暁くんと誕生日デートなのよ」

「はぁっ?!誕生日デート?!」



まー兄には別にわざわざ言うことでもないから、特に伝えてはいなかった。



だけど、伝えずに今日を迎えて正解だったみたい。



「どこ行くんだよ?!つーか、ワンピース短くねぇか?!」



もうすでにうるさいまー兄をスルーして、私は「じゃあ、行ってきまーす!」と玄関を飛び出した。



なんとなくまー兄がうるさくなるのは目に見えていた。



帰ってきてからが大変そうだけど、それでも、まー兄ごめん……!

今日だけは許して……!



駅までの道……自然といつもより早歩きになっていた。



会いたい。

早く会いたい。



その思いが、歩くペースを速くした。



そのため、待ち合わせしていた時間より15分も早く駅へ着いてしまった。



< 225 / 385 >

この作品をシェア

pagetop