今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
駅の外には大きな木が植わっていて、そこで待ち合わせることになった。
でもまだ時間あるんだよな……。
カフェかどこか中に入って待っていた方がいいかなぁ。
そうやって悩んでいるうちに、私は男の人数人に囲まれていた……。
「ねぇねぇ、お姉さん1人ー?」
「超可愛いよね。モデルがなにかやってるの?」
恐怖で顔を上げることもできず、とりあえず相手の足元を確認した。
足の数からして、全員で4人。
話し方や声を聞く限り、若いのが分かる。
……やっぱり、どこかお店に入っておけばよかった。
浮かれて早めに来ちゃったせいで、こんなことに巻き込まれてるなんて本当に情けない。
「ねぇ、聞こえてるよねー?おーい?」
「無視するなら逆にこのまま連れてっちゃおうかなぁー?」
囲んでいる中のうちの1人が、さらに近づいてくるのが分かった。
怖くて、体が思うように動かない。