今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
手首を掴まれそうになった……そのときだった。
「触んな」
……あの日の夜の公園を思い出す、低い声。
顔を上げると、すでに男の人たちと私の間に暁がいた。
「おいおい、彼氏が登場って感じかぁー?」
「ヒーロー気取りかよー……って、え、マジ?あの、暁……?」
暁が現れてもまだ絡んできた男の人たちは、暁の顔をちゃんと見た瞬間、一気に顔が青ざめた。
なにやらコソコソと話し出し、ところどころで「やべぇよ、やべぇよ」と言ってるのが聞こえた。
「すみませんでしたっ!」
逃げるようにその場から走り去った4人組。
……今の人たち、暁だって分かった瞬間、急に態度が変わった。
暁って、そんなに恐れられてるの……?
きっと、今までたくさんケンカしてきて、こうなるまでの伝説を作ってしまったのかな……。
そのおかげで、こうして助かったから、私としてはありがたいんだけど、正直ここまで怖がられていると、逆にどのくらい強いのか気になってしまう。