今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


手首を掴まれそうになった……そのときだった。



「触んな」



……あの日の夜の公園を思い出す、低い声。



顔を上げると、すでに男の人たちと私の間に暁がいた。



「おいおい、彼氏が登場って感じかぁー?」

「ヒーロー気取りかよー……って、え、マジ?あの、暁……?」



暁が現れてもまだ絡んできた男の人たちは、暁の顔をちゃんと見た瞬間、一気に顔が青ざめた。



なにやらコソコソと話し出し、ところどころで「やべぇよ、やべぇよ」と言ってるのが聞こえた。



「すみませんでしたっ!」



逃げるようにその場から走り去った4人組。



……今の人たち、暁だって分かった瞬間、急に態度が変わった。



暁って、そんなに恐れられてるの……?



きっと、今までたくさんケンカしてきて、こうなるまでの伝説を作ってしまったのかな……。



そのおかげで、こうして助かったから、私としてはありがたいんだけど、正直ここまで怖がられていると、逆にどのくらい強いのか気になってしまう。



< 227 / 385 >

この作品をシェア

pagetop