今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「……おい」



背中を向けていた暁が、ゆっくりと振り返った。



明らかに怒っている声。



「……はい」

「今度からは早めに着いたらどっか店に入ってろ」

「うん……。心配かけてごめんなさい」



今回のことは気をつければ避けることができた。



せっかくの誕生日デートなのに、私のせいで最初から台無しだ……。



まだまだ危機管理ができていない自分自身に、嫌気がさす。



そんな……自己嫌悪におちいる私の手を力強く握り、そのまま歩き出した暁。



「心優に怒ってるんじゃない。自分に怒ってる」

「……」

「たぶんあのまま触られてたら、手出てたと思う」

「……っ」

「誰にも触らせたくねぇんだよ」



暁の最後の言葉が、心の奥に入り込む。



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