今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
走りながら溢れる涙のせいで、頬が濡れて冷たい。
無我夢中で走り……たどり着いたのは、下駄箱。
体力がないのに全力疾走したため、ハァハァと呼吸が荒くなる。
その場にしゃがみ、涙で濡れた頬を拭った。
ちょっと触れただけなのにあんな大声で叫んでしまった……明日には変な噂が流れてるかもしれない。
なんて考えてしまい、もう学校に行くのが憂鬱になる。
せっかく………クラスの子たちとも話せたのに。
………沙良ちゃんと、友達になれたのに。
思うようにことが進まないことに悲しくなって、また涙が出てきた。
「みゆ、う……?」
頑張って涙を止めようとしていたら、背後から知ってる声が聞こえて、恐る恐る振り向くと……そこには、息を切らしてる沙良ちゃんがいた。