今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
無理矢理じゃないってことは……女性のスタッフさんに色気じかけで入れるように説得するとか……?!
「なんか変なこと考えてそうだから言うけど、ちゃんと予約してある」
私の考えてることはお見通しのようで、暁は再び私を引っ張って歩き出した。
「……調べてくれてたの……?」
「俺のことなんだと思ってんだよ」
「……だって、ちゃんと調べて予約するって、そんな感じじゃないから……」
「おまえに言われたくねぇ」
「うぅ……」
ぐうの音も出ない。
そもそもバイキングに来たことがなければ、こんな高級そうなホテルでさえ初めて入った。
暁とデートできることに浮かれて、ろくに下調べもしなかった。
「……ありがとう」
「誕生日、だからな。ほら行くぞ」
暁にリードされ、エレベーターに乗った。
先に乗りボタンを押してくれて、降りるときは開くボタンを押したまま先に降ろしてくれた。