今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
頭の中にいろんな思いがぐるぐると駆け巡り……さらに私は追い打ちをかけられた。
「心優、あーん」
あごにひじをつきながら、前のめりで私を追い詰めてくる暁。
口を無防備にあーんと開くその姿は、私の中の母性をくすぐった。
それ以上催促するわけでもなく、ただただ私の目をジッと見てくる。
無言でここまで威圧できるって、暁くらいなんじゃないの……。
悪魔だ……まだお昼なのに、悪魔の部分が出ちゃってる。
……結局、私は観念して口移しをした。
ひと口サイズのガトーショコラをさらに2つに切り、それを唇で軽く挟んだ。
暁の唇に触れるか触れないかくらいで、ガトーショコラが移動し……私はすぐに暁から離れた。
「あま……」
ガトーショコラを食べた暁はそう言いながらも、残りのガトーショコラも口に運んだ。