今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
なんでそんなに平然としていられるの?
心臓が口から飛び出るんじゃないかと怖くなるくらい、私はドキドキが治らないのに……。
「もう、絶対にしないからね」
流されて口移しなんてしてしまったけど、今後は絶対に断る!
こんな心臓に悪いこともう二度としたくない!
半分怒って半分照れてる私に、暁は楽しそうな視線を送る。
暁がこんなにドSだとは思わなかった。
「もしかして、暁って昔好きな子をいじめてた……?」
「あー……かもな」
「やっぱり。今、珍しく楽しそうだもんね」
「……あぁ、そういうことか」
そういうこと?
暁はなにかを納得したのか、ガトーショコラを食べ終わると……私のあごに手を触れ、私の顔を自分の方へと向かせた。
そして、私の顔を見るなり……ニヤッと笑った。
「おまえの困ってる顔見るの、結構好きかも」
数センチ顔を近づけてきた暁はそう言って……私の口端を指でそっとなぞった。