今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
悪魔とご対面
「沙良ちゃん……何で……?」
「いや、初日だし、やっぱり心優と一緒に帰ろうかなって思って教室に戻ったら、心優が光聖たちに囲まれてるのが見えてさ」
「……」
「心優のことを助けようと思ったら、あいつら心優の腕掴みやがるし、そしたら心優走り始めちゃうし……」
「…っ」
呆れたような口調でそう話す沙良ちゃん。
ものすごく、胸の奥が締めつけられた。
あんなところ見られたら、さすがに引くよね。
「変なところ見せてごめんね?じゃ、じゃあね」
止まった涙が今にも溢れ出しそうで沙良ちゃんの顔を見ることができず、うつむきながら自分の靴を手探りで見つけた。
「心配したじゃん」
「へ?」
しかし、沙良ちゃんの口から出た言葉は私の予想とは違いすぎて、思わず裏返った変な声が出た。
「心配……?私を?」
「当たり前じゃん!友達なんだから、心配するに決まってんでしょ!」
「で、でも、あんなところ見て、引いたんじゃ……」
「あんなところ?やめてって叫んでたところ?」
「……うん」
「引くわけないじゃん。誰だって嫌なことはあるでしょ。それがみんな同じなわけないし、誰が普通とかないし、みんな違うのは当たり前じゃん」