今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「ありがとうございました。またのご来店お待ちしております」



会計を済まそうとレジのところでかばんから財布を出したにも関わらず、暁に背中を押され、そのままレストランから出されてしまった。



「え?まだ、お金払ってないよね……?出てきちゃって大丈夫なの?」



なにが起きたのか状況を掴めていない私に、暁は「もう済ませた」と一言。



「暁が払ってくれたの……?」

「あぁ」

「いくらだった?」

「いらねぇ」



それって、暁が奢ってくれるってこと?



「そんなのダメダメ!だ、だって、私が来たかったところだし、それにそんなつもりじゃ……」

「誕生日だろ」

「誕生日でもダメだよ!安くだってないんだし……っ」



私はエレベーターへ向かって歩き始める暁の服を掴み、その動きを止めた。



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