今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


すると、暁は小さくため息をついたあと、私の手首を掴んでそのまますぐ横にあったトイレへと向かう細い通路へと私を引っ張った。



暁は私の背中を壁に押しつけた。



……いわゆる、壁ドンというやつ。



これをされるの何回目だろ……なんて、呑気なことを考える暇もなく、暁の顔がどんどんと近づいてきた。



「俺がいいって言ってんだからいいんだよ。あんまりしつこいと、このまま襲うぞ」



鼻がくっつきそうなほどの近さでそう言われ……ドキドキしすぎて、今度こそ心臓が止まるかと思った。



「分かった、分かりましたっ。お言葉に甘えます!ありがとうございます……っ」

「分かったならいい」



暁はそう言って私の手を握った。



エレベーターが来るのを待つの間……私は冷静に、冷静に……と自分に暗示をかけた。



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