今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
こんなに自分の誕生日を心から楽しめたことって、ここ最近であったかなぁと考えた。
たぶん……なかったと思う。
暁と出会って、いろんなことが新鮮で、いろんなことを知って……人間的に少しは成長できているといいなぁ。
‥…幸せに浸る。
まさに、そのときの私だった。
そのあとは、ショッピングモールへ行ったり、猫カフェへ行ったり……とにかく今まで楽しめなかった青春を取り戻すかのように、暁にはたくさんわがままを聞いてもらった。
暁といれば、人混みでも歩くことができた。
周りを気にしながらビクビクする生活からはおさらば……できたのだと、このときは思っていた。
日も暮れてきたため、電車に乗り地元へと帰ってきた。
最寄駅に着き、暁にリードされながら階段を降りた。
「トイレ」
暁はそう言って、近くのトイレへと行った。
朝のナンパ事件のことがあったため、駅ビルの中のアクセサリーショップで待つことにした。