今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「なんか……怒ってる?」
不機嫌でも手を繋いで引っ張ってくれる暁に、胸がキュンとする。
「別に」
その返しは、明らかに怒ってるよね……?!
でも、なんで怒ってるのかまったく見当がつかない。
「……バス、乗るか」
「え?」
「足、痛いだろ。歩き方で分かる」
突然、バス停の前で立ち止まったため、なんでだろうと思っていたらそんなことを言われた。
確かに、今日久しぶりにヒールがあるサンダルを履いて長時間歩いたからか、つま先やふくらはぎが痛くはなっていた。
ちゃんとしたデートが初めてだし、こうして私のわがままに付き合ってくれた暁。
そんな暁に、最後の最後にテンションが下がることを言っちゃダメだなと思って黙ってたんだけどなぁ……。
「暁は、なんでもお見通しなんだね」
「心優しか見てねぇからな」
「……っ!!」