今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「誰だよそれ」
しかし、隣の悪魔は私と同じ気持ちではないらしく……あからさまに怒ってるのが分かった。
「え、誰って……聞いてどうするの」
「さぁな」
「その言い方!絶対脅す気でしょ!」
いつもより低いその声に、暁が男子たちに心底ムカついているのがものすごく伝わってきた。
「暁っ!準備、手伝ってくれるよね?!」
「あ?」
これ以上この話をしてたら、本当に沙良ちゃんからその男子たちの名前を聞き出して、暁がなにをしでかすか分からない。
なにかが起こる前に、私は話を逸らそうと思った。
「ほら!私と沙良ちゃん看板担当なんだけど、重くて持てそうにないから、暁がいてくれると助かるなぁと思って……」
下から暁を見上げると……暁はこれ以上なにを言っても無駄だと思ったようで、観念するように「行けばいいんだろ」とつぶやいた。