今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「……こうじゃねぇだろ」



そう言った暁に一度離されたあと、すぐに私の頭の後ろに暁の手が回った。



そのまま引き寄せられ……優しく重なる唇。



そっと触れただけのキス。



だけど、唇が離れ、互いの目と目が合った瞬間……胸の奥が苦しくなった。



……暁が、好き。



触れるたびに、強く感じる。



「……暁の方が、やっぱり変態だよ」

「あ?」

「だって、すぐキスしてくるもん……」



それが満更でもない私も、やっぱり変態なのかな……とも思う。



でも、無口でなにごとも淡々としてそうな暁が、こんなに分かりやすくスキンシップをとってくるとは思ってなかった。



さっきだって、太ももを触ってきたし……!



「自分でも驚いてる」



暁のその言葉を、最初は理解できなかった。


< 276 / 385 >

この作品をシェア

pagetop