今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。



中庭に着き、少し人が少なかったため、さっそく出店で食べ物を買うことにした。



暁はから揚げと焼きそば、私は焼きそばとフランクフルトにした。



端にあるベンチがタイミングよく空いていたため、そこに座って食べることにした。



もう少しで食べ終わりそうなとき……暁のスマホが鳴った。



『……どうした』



どうやら電話らしい。



なんだか話し方が優しい気がする。



『……あぁ、うん。分かった。今行く』



そう言って電話を切った暁は、申し訳なさそうな顔で私のことを見てきた。



嫌な予感……。



とは、このことなんだと思った。



「るいが今文化祭に来てて、相談したいことがあるから話せないかって……」



るいさんが文化祭に……?



それって、暁に会いに来たのかな……。



久しぶりに聞いた"るいさん"という名前に、考えが嫌な方向へとどんどんと進む。

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