今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
自分の焼きそばを食べ終わり、暁が戻ってくるのを待つことにした。
誰かに声をかけられないように、スマホでゲームをして話しかけないでオーラを放つことにした。
……たぶん、ゲームを始めてから数分が経った。
スマホのゲーム画面に集中しながらも、画面越しに誰かの足が視界に入った。
「ねぇ、この前のパスケース落とした子だよね……?」
その言葉に、ゆっくりと顔を上げた。
目の前には、誕生日デートの日に落としたパスケースを拾ってくれた男の子が立っていた。
「あ、あのときの……!」
「やっぱり!なんか見たことあるなぁと思って、ここの学校の子だったんだね!」
男の子はそう言って、この前のように子犬のような純粋な笑顔を見せた。