今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


公園を通り過ぎようとした時……人の声が聞こえた気がして、ふと公園を見た。



………私はあるものに、視線を奪われた。



"その人"の周りには、微妙に動くものの横たわっている数人の男がいる。



"その人"は、いかにもだるそうな感じで立ってて、数人の男を見下ろしていた。



よーく耳をすますと、周りに倒れている男たちは「うっ…」とうなり声をあげていて、すごく苦しそう。



しかし、真ん中に立つ"その人"は微動だにしない。



この時、すぐに家に帰ればよかった。

人の声なんか気にせずに足を進めればよかった。



……"その人"は、公園の外から見ている私の方に……視線だけを移した。



目が合ったのが分かる。



"見られてる"のを感じる。



その瞬間、女としてというよりも、生き物として、危険を感じた。


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