今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
あんな人数の男の人を、1人で倒したってことだよね?
それを見ちゃった私って……殺される?!
こんな公園の前で、しかも家の近所で見知らぬ人に殺される?!
いや、そもそも人なのかも怪しい。
本当の悪魔だったら、何らかの力を持ってるだろうし、人間を殺しに地球へやってきたのかもしれないし、ただの人間である私なんか一握りで簡単に殺せてしまうだろう。
………と、私はパニックのせいで頭が大混乱していた。
「冷てぇもん持ってる?」
……すると、頭上から低く落ち着いた声が聞こえた。
ムスク系の甘い匂いも香ってきて、不思議とその匂いは嫌ではなかった。
脚が震えそうになりながらも、ゆーっくりと悪魔を見上げた。
公園の外灯に照らされ、はっきりとは顔が見えないけど、目の前には、背が高くて顔の整った男の人が立っていた。