今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
チョコらしきものも持ってねぇし……って、こっちから催促してるみたいになんのも嫌だな。
なにも考えず適当に向かったのは……丘の上にある公園。
真冬で心優も制服のままだし、とりあえず近場に来た。
ベンチに座り、無言が続く……。
これマジでチョコないパターンだったら、俺かなりの勘違い野郎じゃねぇ?
吐く息が白くなる程空気が冷たい。
……これ以上、ここにいて風邪ひかせても嫌だな。
そう思って、そろそろ帰るか……と言おうとしたとき。
「あ、暁、これ……!」
心優はいきなりそう言って、小さな箱を差し出してきた。