今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「昨日ね、フォンダンショコラ作ったの。あの、今日バレンタインデーなんだって……」
赤い箱に巻かれた薄いピンクのリボンをほどく。
箱を開けると、中にはハート形の小さいケーキが入っていた。
甘いものがどうも苦手で、これがフォンダンショコラと言うのかと初めて知った。
「暁が甘いの苦手だって言ってたから、カシスを入れて甘いの抑えてみたんだけど……どうかな……?」
恐る恐るこっちを見る心優。
俺はフォンダンショコラに大きくかぶりついた。
「……うまい」
「ほんとっ?」
「あぁ。甘すぎなくて、これならいくらでも食える」