今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
俺に気を使って甘くなりすぎないように作ってくれたからか、それとも心優が作ってくれたからか……珍しく、すぐに食べ終わってしまった。
「来年はもっと大きくてもいい」
「うん、分かった!」
そう言って心優は、両手を自分の両頬に当てた。
「心優」
「ん?」
「ありがとう」
俺が礼を言うのがそんなにめずらしいことなのか、心優は一度目を丸くしたあと、「ハッピーバレンタイン」と白い歯を見せて笑った。
……あぁ、くそ。
心優の肩に触れ自分の方へと引き寄せ……一気に近くなる距離。
そのまま顔を近づけると、心優も自然とまぶたを閉じた。
……重なる唇。