今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。



「怖ぇかもしれねぇけど、少しでいいから我慢しろ」



そう言われたものの、いったい何の話か分からないから、私は頷くことも出来ない。



だけど、創史は、私が理解できてるかはどうでもいいみたいで、既に職員室を出てスタスタと歩き始めていた。



何が怖いのかまったく分からないまま、私は創史の後ろを必死でついていった。



階段を上がり、3階に着いてすぐ……さっき創史が言っていたことの意味が分かった。



目の前に現れた人たちから一気に私へと視線が集中する。



「創史じゃーん。久しぶりー」

「てめぇはこの短い間にまた髪染めやがって。説教決定だな。後で職員室来い」

「うわマジかよだっる!」

「来なかったらお前体育1な。ぜってぇ来いよ」

「それありかよ!職権乱用ってやつじゃん!」



階段を上がってすぐの所にいたのは明らかにヤンキーな3人組で、その中の鮮やかな金色の髪の人が創史とじゃれ始めた。



他の2人は一緒に笑ってて、でもチラチラ私を見てるのに気がついた。



心の中で"私のことは無視して"と、必死に願った。

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