今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「つーか、その後ろの子誰?」
「さっきから気になってたけど、超可愛くね?」
「え、なに、転校生?」
私の願いもむなしく、ヤンキー3人組は私との距離をどんどん縮めてきた。
何で転校初日からこんなことになるんだろう。
出来ればこういう人たちとは関わりたくないのに……。
いくらそう思ったって、誰にも私の願いは届かない。
「名前何て言うのー?」
「うるせぇな。お前らみたいなハイエナに教えるわけねぇだろうが」
一応、創史は担任らしく私を自分の背後へと隠してくれた。
「創史には聞いてねぇし。創史だって彼女いねぇんだから俺らと同じハイエナじゃん」
「うるせぇ。とにかく自分の教室戻れ」
創史は手をシッシッと追い払うように動かし、ヤンキー3人組は少し私たちから離れた。
てっきり、かばってくれたんだと思って安心してたんだけど……。
「ちなみに俺は心優の担任だから、ずっと一緒だけどなぁ」
ヤンキー3人組の前を通り過ぎようとしたそのとき、創史はポロッと私の名前を口にした。
あっさり暴露された私の名前を聞き逃さなかったらしいヤンキー3人組。
そのあとニヤつきながら「へぇ。心優ちゃんか」と声を合わせて言ったのを……私は聞き逃さなかった。