今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。

辺りを見渡すと………自販機で飲み物を買っているのが見えた。



その時、なぜだか分からないけど………"今"話さなきゃって強く思った。



沙良ちゃんにはなんとなく知られちゃいけないような気がして……「トイレに行ってくるね」と、ウソをついてゆっくりと列から外れた。



……けど、さっきまでいたはずの自販機の前にはもう誰もいなくて、周りを必死に探した。



探してもやっぱりいない。



どこにいったんだろう……と、挙動不審に私がキョロキョロしていると。



誰かに力強く腕を引っ張られ、薄暗い廊下へと連れてこられた。



「お前、あの夜の?」



見上げれば、そこには見覚えのある顔があって……。



「あっ、悪魔っ」

「悪魔?」



ビックリしたせいで、つい心の中の声が出てしまった。

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