今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


「今のは気にしないでくださいっ」

「それより、お前名字、何」

「え?浅沼ですけど……」

「兄貴いる?」

「います……」



え?何でお兄ちゃんいるの知ってるの?

勘……なわけないよね?



教室で会ったとき初めて会ったような態度だったから忘れてるんだと思ったら覚えてるみたいだし、急に連れ込まれたと思ったらお兄ちゃんがいること知ってるし……。



この暁って人、何者っ?!



「お兄ちゃんと……知り合いなんですか?」

「まぁな……。昔、優馬さんとはよく会ってた」



高校生までやんちゃしてたゆう兄のことだから、暁のような知り合いの後輩がいてもおかしくない。



……すると、ムスク系の甘い匂いが鼻をかすめた。


匂いの理由は、暁って人が顔を近づけてきたからで……。



「なっ、なんですかっ」

「似てねぇな」



そう言って……私の前髪を指ですくった。

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