今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「あのー……、イチャついてるところ申し訳ないんだけど、アイス買ってきたんで受け取ってもらってもいいっすかね?」
私の背後から遠慮がちな声が聞こえた。
もちろん、その声の正体は光聖くん。
2つの手でコーンに乗っかった3つのアイスクリームを持ち、ジェットコースターに並ぶ列のチェーンの前で入ることができずに足踏みしていた。
相手は沙良ちゃんと言えど、光聖くんと私が気まずい状況で、こんな場面を見られてしまったことがものすごく恥ずかしい。
「あ、ごめんごめんっ!ついみゅーが可愛くてイチャイチャしちゃったー」
沙良ちゃんは光聖くんからアイスを2つ受け取り、そのうちの1つを私にくれた。
「おまえが男だったら絶対みゅーちゃんに惚れてるよな」
光聖くんは沙良ちゃんに向かってそう言いながら、アイスを1つ持ったまま、器用にチェーンの下をくぐり、再び列に合流することができた。
「ちょうどその話してたの!女の私でも、みゅーの笑顔見るとキュンってするもん」
「みゅーちゃん、沙良になんか変なことされたら俺に言えよ?」
「はぁっ?!変なことなんてしないし、私を何だと思ってんの?今この場で、フラれたこと大声で叫ぶぞフラレ男子!」
「おまっ……結構傷ついてんだから、そこ触れるなよバカ女!」