今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


……って、落ち込んでどうする。

暁が私に興味がなくても別にいいじゃん。


落ち込むことなんて……ないよね。



「暁こそ、遊園地で1人で何してんの?」



その場の空気の察知能力が優れている沙良ちゃんが、話をうまく切り替えてくれた。



首の後ろを手で触り、なんだか言いづらそうな暁に「るいさんと来たの?」と沙良ちゃんが言うと、「あぁ」とうつむきがちに答えた。



やっぱり、こういう場所に来るとしたら彼女とだよね……。



正直……心のどこかで、男友達と来てることを期待していた。



私の勝手な願いはあっさりと消え去り、薔薇のトゲが突き刺さっているかのように、胸の奥がズキズキと痛んだ。



お願いだから……胸の痛みよ、どうか早くなくなって……。



「るいさんはどこにいるの?」



沙良ちゃんは前のめりで暁に質問した。



「体調悪くなったから、救護室にいる」

「1人にさせて大丈夫なの?」

「昨日全然寝てねぇから1時間くらい寝かせてくれって」

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