今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
スタッフの人から説明を聞き、流れに身を任せていた私は、暁に腕を掴まれながらお化け屋敷へと足を踏み入れた……。
ちょっと待って、ちょっと待って。
確かに甘いものが好きで、その中でもクレープ大好き人間だけど、お化け屋敷はその反対に、今まで1度も入ったことがないくらい本当に本当に大っ嫌い。
クレープの無料券が貰えるってことだけが頭の中にあったから、お化け屋敷が嫌いだってことをすっかり忘れてた……。
バカすぎる。
本当に自分バカすぎる。
しかし……時すでに遅し。
目の前の扉を開けたら、お化け屋敷がもうスタートするというところまで来てしまった。
「あのー……」
「あ?」
恐らく、こういうテーマパークに来ること自体好きじゃないであろう暁も、こんな人が演じるお化けに驚かされるなんて絶対に嫌に決まってる。
その証拠に……私が声をかけたら、スーパーウルトラ不機嫌な顔で、後ろにいる私の方を見てきた。