今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


目を開けられず、1人ではまともに歩けなくなった私は、暁の服のすそを掴みながら、とりあえずついていった。



お化け屋敷を進むものの、かなりの頻度でお化けが出てきたり、風が出てきたりと……怖いものが苦手な私にとっては地獄の時間で、永遠のように感じられた。



途中、スタンプを1つ押さなければいけないらしく、暁がスタンプを見つけてくれたので、ひとまずゆっくりとまぶたを開けてみた。



黒い壁に囲まれた、大人が4人くらいしか入れないほどの狭い空間に机が1つあり、その上にスタンプとインクだけが置いてある。



この人に"怖い"という感情があるのか疑問に思うほど、まったくビビる様子がない。



暁は入り口でスタッフの人にもらった紙に、平然とスタンプを押す。



押し終わり、その狭い部屋を出ようと私はすぐ後ろにあった扉を開けた……その瞬間……。



「ギャアアアアーッ!」

「ギャアアアアーッ!」



目の前に突然お化けが現れ叫ぶもんだから、私もこれ以上は大きな声を出せないんじゃないかというほど大きな雄叫びをあげた。



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