今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
落ちないように暁の首に腕を回す。
ゴールまでの間、暁の背中に密着する私の胸から、このドキドキがどうか暁にバレていないことをただただ祈った。
無事にゴールまでたどり着き、出口でスタッフの人にクレープ無料券を貰うことができた。
「みゅー?!大丈夫?!」
お化け屋敷を出たらすぐに下ろしてもらえるかと思いきや、暁は私をおんぶしたまま沙良ちゃんと光聖くんがいる近くのベンチまで歩いた。
おんぶされる私を見た沙良ちゃんはびっくりした様子でベンチから立ち上がった。
暁はゆっくりと私をその場に下ろしてくれた。
「どうしたの?!具合悪くなった?」
「体調は全然大丈夫なんだけど……途中で怖くて足動かなくなっちゃって……」
「なんだ、そういうことかぁー……」
「心配かけさせちゃってごめんね」
沙良ちゃんはホッとしてくれたのか、再びベンチに座り、そのあと私と暁を交互に見てニヤリと笑った。