今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
何で沙良ちゃんがニヤリと笑ったのかはそれから少し経ったあと知ることになった。
暁はゆっくりと私をその場に下ろし、貰ったクレープの無料券をくれた。
「あれ?2枚あるよ?」
1枚は暁のものなはずなのに、私の手には2枚の無料券がある。
「甘いの好きじゃねぇからやるよ」
「……え、あ、ありがとう」
てっきり暁もクレープが好きだからお化け屋敷に入ってくれたんだと思ってた……。
違うなら、じゃあ何で入ってくれたんだ?
「じゃ、そろそろ戻るわ」
暁がお化け屋敷に入ってくれた謎は解けることなく、暁はるいさんのいる救護室へと行ってしまった。
私と沙良ちゃんと光聖くんはクレープを食べに、遊園地内にあるフードコートへ行き、クレープの無料券をさっそく使った。
3人でクレープを頬張り、あと少しで食べ終わるところで光聖くんのスマホの通知音が鳴った。