今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


光聖くんは話し終わると、申し訳なさそうな顔で「悪い!」と顔の前で両手を合わせた。



「先輩から呼ばれちゃって……俺だけ先に帰っていい?」

「はぁー?誰のために今日私がこうやって計画したと思ってんの?」

「それは本当に感謝してます。みゅーちゃんも、今日は本当にありがとう!いろいろあったけど、これからは友達として仲良くしてくれるとありがたいっす……」



苛立ちを隠せない沙良ちゃんをよそに、光聖くんは丁寧に私に向かって深々と頭を下げた。



「ううん、こちらこそありがとう!こうやって友達と遊園地に来たことなかったから、今日1日すごく楽しかった!……こちらこそ、友達としてよろしくお願いします」

「ううー、そんな可愛いこと言われちゃうと諦められなくなっちゃうなぁ」



ふざけた様子の光聖くんに、沙良ちゃんは「男らしくさっさと諦めろ!そんで先輩でもママのとこでも何でもいいから、早く行け!」と言って、光聖くんの背中を思いっきり叩いた。



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