今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


光聖くんはペコペコと頭を下げながらその場を去っていった。



……そして、私と沙良ちゃんは2人きりになった。



その瞬間、4人席で私の向かいの席に座っていた沙良ちゃんが、突然私の左隣に移動してきた。



「ねぇねぇねぇ、みゅーさ、好きな人……いる?」

「えっ……な、何で……?」

「その反応からして、やっぱり好きな人いるでしょ!」



沙良ちゃんは私に詰め寄ってきた。



「好きな人というか、何というか……」

「じゃあ、気になってるって感じ?」

「さ、沙良ちゃんさ、光聖くんから何か聞いた?」

「何も聞いてないよ?」



光聖くんにも気持ちを読まれて、沙良ちゃんにもいとも簡単に読まれてしまった……。



私ってそんなに分かりやすいのかな。

もしかして、顔に出るタイプ……?



そもそも誰かを好きになったことがないから、"好き"という感情がどういうものなのか、こういう時にどう隠したらいいのかも分からない。



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