王子様の探し方
美樹達と分かれて陽が赤く染まったころ小太郎の家に二人でむかう


「美樹さんと孝弘さんあの二人、結婚しそうだよね」


「あー……確かに」


「俺、うらやましいと思った」


帰り道も自然に手を繋いで、同じことを思ってた智に嬉しくなった


「未来」


「えっ?」


いきなり呼ばれた自分の名前にビクッとして智を見ると顔を赤くしていた

「あーダメだ、未来ちゃん」


「顔赤いよ智?」

さらに赤くしながら
夕焼けのせいだよって大慌てしていた


勘違いじゃなくて
私にドキドキしてくれてたら嬉しい


こんな短い期間で
なんて思うかもしれないけど


びびっとくるものがきっとあって私は智に惹かれた


「俊輔、帰ったよ」


「未来ちゃんおかえりぃ」


「ただいまです」


加奈子さんに抱きしめられながら俊輔さんに足蹴にされている智をみて笑う


「七瀬先輩、どーでした?」


「え?な、にが?」


小太郎の質問に少し焦る。小太郎は気にした風もなく
ま、顔見ればわかりますよと言った


「未来ちゃん、帰る?」

「そうだね……帰る」


お邪魔しました。と二人で出て行った


小太郎の家であんな会話が会ったことを私たち二人は全くしらない


どんな展開が早いって言われたって恋するスピードは自覚した瞬間から加速する


私は1日一緒にいただけで智をすきになってしまった


「家、ここか」


「うん、結構、智の学校から近いんだよ」


「じゃあ、向かえにこれるな」


「えっ?」


風が音をじゃまして智に近づいたとき


「好きだよっていった」

とキスをされた

「わ……私も」


今日会ったばかりなのにという気持ちを隠すように二人の影は一つに解け合った


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