レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
「……うぅ…」
「毎年毎年、この日は伊織が生まれて来たことに感謝するのよ」
“伊織を産んでくれてありがとうって毎年、この日になると思うんだ”
大事に。
思われていたのに。
「伊織が生きてることが辛いなら、立ち止まってみたらいい。
そこから周りを見渡せばいい。
そんなことを思う時は、伊織の心に余裕がないのよ。
完璧でいる必要なんかないの。
人は不完全なぐらいが丁度いいのよ」
「………ふっ、うぅ…」
ぼろぼろ、ぼろぼろ。
涙が溢れる。
こんな風に。
誰かに必要とされたかったんだ。
“伊織が、今を生きてる意味ちゃんとあるから”
俺が生きる、意味。
鈴恵さんと美佳の為じゃないか。
俺が生まれてきたことを、嬉しいと思ってくれてる、その人の為じゃないか。
もう、間違えない。
何も、持ってないのかもしれない。
だけど、鈴恵さんと美佳は俺を必要としてくれているんだ。
それだけで。
それだけで十分じゃないか。
「毎年毎年、この日は伊織が生まれて来たことに感謝するのよ」
“伊織を産んでくれてありがとうって毎年、この日になると思うんだ”
大事に。
思われていたのに。
「伊織が生きてることが辛いなら、立ち止まってみたらいい。
そこから周りを見渡せばいい。
そんなことを思う時は、伊織の心に余裕がないのよ。
完璧でいる必要なんかないの。
人は不完全なぐらいが丁度いいのよ」
「………ふっ、うぅ…」
ぼろぼろ、ぼろぼろ。
涙が溢れる。
こんな風に。
誰かに必要とされたかったんだ。
“伊織が、今を生きてる意味ちゃんとあるから”
俺が生きる、意味。
鈴恵さんと美佳の為じゃないか。
俺が生まれてきたことを、嬉しいと思ってくれてる、その人の為じゃないか。
もう、間違えない。
何も、持ってないのかもしれない。
だけど、鈴恵さんと美佳は俺を必要としてくれているんだ。
それだけで。
それだけで十分じゃないか。