レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
「…それでね、好きじゃなくなるんだったら。
とっくに諦めてた。
今も想ってたりなんかしない」
「!!」
ハッとして聖が息を飲んだ。
「連絡だって取ってなかった。
別れ方は最悪だった。
でもね、何でだか伊織のこと嫌いになれないんだ。
本当に笑っちゃうぐらいに」
最悪、最低男と罵れたらどんなにいいだろう。
もし、今会ったら。
文句なんか、全部吹っ飛んで。
ただ、ただ。
伊織を抱き締めると思う。
一人にして、ごめんねって。
側にいなくてごめんねって。
「……聖も、美佳さんのことおんなじ様に想ってるならわかるでしょ?」
「………………」
それから静かに、聖は涙を流した。
復讐が、負の連鎖の始まりならば。
誰かがそれを断ち切らないといけない。
私は、憎まないよ。
聖人なわけではない。
伊織と話せる機会を失った原因が、聖なら許せない気持ちはある。
でも、憎んでも……伊織は私の元へ来ないでしょ?
とっくに諦めてた。
今も想ってたりなんかしない」
「!!」
ハッとして聖が息を飲んだ。
「連絡だって取ってなかった。
別れ方は最悪だった。
でもね、何でだか伊織のこと嫌いになれないんだ。
本当に笑っちゃうぐらいに」
最悪、最低男と罵れたらどんなにいいだろう。
もし、今会ったら。
文句なんか、全部吹っ飛んで。
ただ、ただ。
伊織を抱き締めると思う。
一人にして、ごめんねって。
側にいなくてごめんねって。
「……聖も、美佳さんのことおんなじ様に想ってるならわかるでしょ?」
「………………」
それから静かに、聖は涙を流した。
復讐が、負の連鎖の始まりならば。
誰かがそれを断ち切らないといけない。
私は、憎まないよ。
聖人なわけではない。
伊織と話せる機会を失った原因が、聖なら許せない気持ちはある。
でも、憎んでも……伊織は私の元へ来ないでしょ?