恋したその日・・・
和side

春いつもは、そんなに強くは抱きつかないのに、今日は、強く抱きついてくる
(春、何かあったのか?)
気になっても聞けない、春の事なるといっつも勇気が出なくなる俺って意気地無しなのか
春といるといつも考えてしまう

「春、どうかしたか?」
これを聞くだけで、どんだけ勇気がいったか

「ううん、気にしないで、早く行かないと遅刻するよ」
春は俺に気を使って答えてるのを、すぐに分かった
「心配事があるならちゃんと言えよ!!」
(俺には何でも言ってほしい)
そう言う意味も込めて言った

(自転車で、学校行くのやめようかな・・・春と、もっと一緒にいたいし)
「ここでいいよ、自転車置いてきて」
そんな事言われると、心配になってくる
(俺が居ない間に、他の奴らに春を取られたらどうしよう)
「おう、下駄箱のところで待っとけよ」

「わかってるよ」
俺だってわかってる、でも、もし、俺が居ない間に告られていたら、春がそっちに行ってしまうかも知れない
俺は、急いで止めに行く

止めて戻ってきたら、春が紙らしい物を捨てている
足の方に目をやると春は、靴を履いていない
(春は、何してんだろう?)

「春、何してんだ?」

「えっ、落し物しちゃって、でも、もう見つかったから」

明らかに春は、動揺している
周りにいた女子もいつの間にかどこかに行っている
春は、また、俺に隠し事をする
(そんなに俺は、頼りになんねぇか)
そんな自分が情けなくて
「ならいいけど・・春靴は?」
こんなことしか言えない、自分に腹が立った
「家に置いてきちゃった」
また嘘だ、昨日春は靴は置いて帰ったはず、俺と一緒に帰ったんだから間違えねぇ
春は、俺に心配かけさせないようにしているけど、俺は何でも、相談してほしい
でも、自分から言うのを、俺は、待った
「俺の貸してやるよ」
(俺ので良かったらだけど・・・)
「いいよ、和君に悪いし」
(春に、使ってもらえるなら、俺は、裸足でも構わない)
「いいから、はけよ」

「ありがとう、和君」
(その顔他の奴にするなよ!!めっちゃくちゃカワイイ)
そんな顔されたら、誰でも惚れるだろ
その顔は、俺だけに見してくれればいい
春は、俺だけのものだ、誰がほしいって言ってもやらない
お願いだから、その顔は俺だけの前にしてくれ)


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