思い出のきみ
夢を見た。


遠くで沙依が手を振っている。


近づくと、沙依は一歩下がってしまう。


「こっちに来てくれよ。」


「行けないの。だって、修ちゃんは私を守ってくれなかったから」


オレは、全身汗だくになり、飛び起きた。


脇に置いてあった携帯電話に手を伸ばした。


沙依の番号に掛けてみる。繋がるはずのない電話。携帯電話を壁に向かって投げつけた。


沙依の声が聞きたくて仕方なかった。
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