ユビキリ。
私と翔は幼なじみだった。
同じ病院で、
翔のほうが半日早く生まれた。
ママとおばさんは友達で、
赤ちゃんの頃からずっと一緒だった。
世界で一番の親友だった。
今だって、
誰にもかえられない大切な親友だ。
花束はゆっくりと橋の下を流れていって、
やがて見えなくなった。
冷たい風が吹き抜けていく。
私は急に思い立って歩き出した。
堤防の階段を小走りに登ると、
その下に小学校が見える。
今日は日曜日だから誰もいない。
校庭はシンと静まり返っていた。
私は小学校の横を足早に歩いた。