*片思い*
【郁美】




言っちゃった…



言っちゃったよー!!



どーしよっ!!





頭が真っ白になってパニクってるあたし。



まだ優也の腕の中だしっ!!




「山本?」



「ふぇっ?」



誰かがあたしを呼んだ。



顔を上げて後ろを見る。



「悠…」



そこには走ってくる悠がいた。




「…ッ…山本大丈夫?」



息を切らしながら話す悠。



今、悠の顔を見るのが辛いよ。



あたしは優也を諦めきれないことを知ったから…。



「あ…うん」



「そ…じゃあ保健室行こ?俺手当てするし…」



ーグイっ!!



「え…」



「いい、俺がする」



優也があたしの方に伸ばした悠の手を引っ込ませた。



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