*片思い*





きっと悠は傷つくだろう。



だけどちゃんと聞いてほしい。



ちゃんと分かってほしい。



「あのね…」



そう言いながらあたしは悠の手をギュッと握る。




「悠…っ…」



言いたいのに、なかなか言えない。




そのかわり手に力が入って、悠の手を益々強く握ってしまう。








ーポンっ!




へぇ…?




「分かったから…。俺じゃ駄目なんでしょ?」



悠…?




あたしの頭を撫で撫でする悠。




分かってくれたの?




伝わったの?




「ごめんね……」




ごめんね…



悠…




いっぱい、いっぱい優しくしてくれたのに……




いっぱい、いっぱいあたしのこと助けてくれたのに……





悠の気持ちに答えられなくてごめんね……




「ごめんね…ごめんねごめんね。悠……」



「んな謝るなよー」



だって…



悠…



「ずっと好きだったんだろ?ちゃんと幸せになれよっ」



悠…



悠はそんなことも分かってたの?



「ありがと…悠はあたしの一番の男友達だから…ね…?」



「おぅ、サンキューな…」



そう言ってまたあたしの頭を撫でる。





「ありがとう…」



そう言ってあたしの一筋の涙が悠の手に落ちた。





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